忍路(おしょろ)は小樽の西部に位置し、蘭島の隣にあります。また、小樽市のほかの地区の住宅地とは一味違ったのどかな漁村の雰囲気を感じたりします。
忍路漁港の近くには別荘や企業の保養所なども点在し「小樽の隠れ家」的な場所です。忍路漁港には北海道大学の忍路臨海実験所もあります。
今回は歩きませんでしたが、山側には国指定史跡の忍路環状列石があります。
忍路への行き方・アクセス方法
公共の交通機関を利用する場合、忍路へは小樽駅前ターミナル発の北海道中央バスの積丹線や余市線に乗り、国道5号線にあるバス停「忍路」で下車。運賃360円(2023年6月現在)。
一方、JRだと最寄りの駅はJR蘭島駅になります。小樽から蘭島の運賃は340円(2023年6月現在)。蘭島駅から忍路漁港までの距離は約3kmです。
忍路のバス停から忍路漁港までも約1.5kmあるので忍路漁港を目指すなら車が便利です。
忍路地区を散歩した様子
小樽駅からバスに乗りバス停忍路で下車に忍路漁港までを散歩しました。
国道5号線とほぼ平行に走っているJR函館本線(通称山線)を境に浜側が忍路1丁目、山側が忍路2丁目となっているので、今回散歩したところは忍路1丁目になります。
現在の国道5号線は平成30年(2018年)に開通した忍路トンネルを通りますが、以前は桃内から海岸線を走っていました。海岸線を通っていた頃より山側に5号線が移動したため、バスを降りてからの歩く距離は増えました。
旧道が見えるところでは、塩谷海岸まで一望することができます。散歩した日が日曜日だったこともあり、塩谷海岸先にあるポンマイ岬付近にボートが何艘も見えました。おそらく青の洞窟クルーズのボートだと思います。
お店や飲食店はほとんどありません。国道5号線から入ってきてまもなくのところに有名なパン屋さんがあるみたいです。
散歩していると石蔵をいくつか見つけました。いつの時代に作られたものかはわかりませんが、おそらくニシン漁が栄えてた頃のものではないかと思います。
目をひく木造建築がありました。散歩しているときは何も知らずに見ましたが、網元だった渡辺家の家だったそうです。
忍路神社
忍路神社は、延宝2年(1674年)忍路場所請負人西川伝右衛門が勧請し、元禄2年(1689年)に社殿が創建されたとされています。
明治23年(1890年)に社殿が火災により焼失しましたが、明治29年(1896年)に再建されました。そして、大正9年(1920年)に現在の場所に移転されました。
忍路神社の境内には津古丹稲荷神社があります。嘉永2年(1849年)に創建で小樽では最古の建造物とされています。昭和13年(1938年)に国道工事のために一度解体されたときに「嘉永2年中松前江差 中島作次郎」の銘が発見されたことに由来するそうです。
忍路漁港
のどかな雰囲気の忍路漁港。釣りをしている人を見かけました。
忍路は江戸時代のヲショロ場所(商場)が起源とするエリアですが、そのヲショロ場所を請け負っていたのが近江商人の住吉屋西川家です。
地名はアイヌ語の「尻のような窪み」を意味するオショロ・コッに由来するそうです。
江戸時代の小樽周辺には3つの場所(オタルナイ場所・タカシマ場所・ヲショロ場所)がありましたが、本州に近いこの忍路は今と違いかなり栄えていたのではないかと想像します。
夏至の前後になると忍路湾の岬、カブト岬とポロマイ岬の間に太陽が沈む景色が見られるそうで、隠れた夕日スポットになっています。
漁港内への車両の進入は禁止されていて、訪れたときには防波堤側の道は全面ロープが張られていたので自分は入りませんでした。
忍路漁港内のポロマイ岬側には北海道大学の忍路臨海実験所(国立大学法人 北海道大学 北方生物圏フィールド科学センター 水圏ステーション 忍路臨海実験所)があります。
敷地内は関係者以外立入禁止となっていましたので、遠くから見た感じですが木造の可愛らしい建物でした。